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SIerの多重下請け構造と元請け企業の選び方|公式資料で見分ける

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業界研究 SIerの多重下請け構造と元請け企業の選び方|公式資料で見分ける

SIerの多重下請け構造の中で志望先が元請けかどうかを見分けるには、「誰と契約して、誰にシステムを届けているか」を公式資料で確かめるのが近道です。具体的には、有価証券報告書の「主要な販売先」、事業内容や導入事例、採用ページの仕事紹介の3つを見て、足りない部分を説明会で質問します。元請けかどうかに良し悪しはありませんが、若手のうちに任される仕事の中身が変わるので、自分のやりたいことと合っているかを確かめておきましょう。

多重下請け構造そのものの基本は、SIerの業界構造をわかりやすく解説で説明しています。この記事は「では志望先をどう見分け、どう選ぶか」に絞ります。

目次
  1. 元請けと下請けで変わること
  2. 公式資料で元請けかどうかを見分ける手順
  3. 知っておきたい契約の形:請負と準委任
  4. 元請けかどうか以外に見たいポイント
  5. 説明会・OB訪問で聞くとよい質問
  6. まとめ

元請けと下請けで変わること

比べる軸元請け(顧客と直接契約)二次請け以降
契約の相手システムを使う企業・官公庁元請けのSIerなど
主な役割要件のとりまとめ、全体計画、品質の責任任された機能・工程の設計、開発、テスト
若手が関わりやすい仕事顧客との打ち合わせ、協力会社との調整、管理設計書にもとづく開発・テスト
身につきやすい力顧客の業務理解、調整力、プロジェクト管理プログラミングや特定技術の実装力

ただし、元請けの会社でも新人のうちは開発やテストから経験するのが一般的です。逆に二次請けでも、特定の技術や製品に強く、上流から任される会社もあります。「元請け=上流だけ」「下請け=作業だけ」と単純には分けられないことは覚えておきましょう。

運営者コメント(大手SIer営業5年の視点)

二次請けの営業は、自分で案件を取りに行くというより、元請けから仕事が降りてくる形が多く、契約や手配などの事務処理が仕事の中心になりがちです。顧客に提案して案件を作る営業をしたいなら、元請けかどうかは大きな分かれ目だと感じます。

営業職を考えている人は、SIerの営業の仕事内容もあわせて読むと、立ち位置による違いがイメージしやすくなります。

公式資料で元請けかどうかを見分ける手順

次の順番で調べると、口コミに頼らずに立ち位置をつかめます。

  1. 有価証券報告書の「主要な相手先別の販売実績」を見る:上場企業(または上場していた企業)なら、販売実績のうち一定割合以上を占める相手先が載っています。この欄にシステムを使う企業の名前があるか、別のSIerの名前があるかで、立ち位置の手がかりになります
  2. 「事業の内容」を読む:「〇〇業界の顧客向けに」と書かれているか、「大手SIerのパートナーとして」と書かれているかを見ます
  3. 導入事例・ニュースリリースを見る:顧客名を出した事例が多い会社は、顧客と直接やり取りしている可能性が高いと考えられます
  4. 採用ページの仕事紹介を読む:社員紹介で「お客様と要件を詰めた」「協力会社をまとめた」などの話が多いか、「〇〇社のプロジェクトに参画」という話が多いかを見ます
  5. 分からない部分を説明会で質問する:プライム(元請け)案件の割合は、公式資料に載っていないことが多い項目です

一つの資料だけで決めつけない

主要な販売先にSIerの名前があっても、その会社が別の分野では元請けとして動いていることもあります。「この会社は下請けだ」と決めつけず、複数の資料と説明会の話を合わせて判断しましょう。

知っておきたい契約の形:請負と準委任

立ち位置を見るときは、契約の形の違いも知っておくと理解が深まります。

契約の形約束するものよくある使われ方
請負仕事の完成(決められたシステムを納める)範囲が決まった開発
準委任業務を行うこと(完成そのものは約束しない)要件定義の支援、運用・保守、技術者の支援

「SES(システムエンジニアリングサービス)」と呼ばれる働き方は、一般に準委任の契約で、技術者が顧客や元請けの現場で作業する形が多いです。どの契約が良い悪いではなく、どんな形の仕事が多い会社かを知っておくと、入社後のギャップを減らせます。契約の細かい法律上の扱いは、ここでは一般的な説明にとどめます。

元請けかどうか以外に見たいポイント

立ち位置だけで会社を選ぶと、大事な点を見落とすことがあります。あわせて次の点も確認しましょう。

ポイント確認のしかた
主要な顧客の業界事業の内容、セグメント情報
親会社・グループ会社概要、有価証券報告書の関係会社の状況
自社製品・サービスの有無事業紹介、決算資料
研修と最初の配属採用ページ、説明会
職種の分かれ方募集要項

親会社による分類(ユーザー系・メーカー系・独立系)の見分け方は、SIerのユーザー系・メーカー系・独立系の違いで詳しく説明しています。

説明会・OB訪問で聞くとよい質問

立ち位置は公式資料だけでは分かりにくいので、次のように具体的に聞くと答えてもらいやすくなります。

  1. 御社が顧客と直接契約する案件と、他社から受ける案件は、おおよそどのくらいの割合ですか
  2. 若手のうちに、顧客と直接打ち合わせをする機会はどのくらいありますか
  3. 協力会社に仕事をお願いする立場になるのは、入社何年目くらいからが多いですか
  4. 請負と準委任では、どちらの契約の仕事が多いですか
  5. 元請け案件を増やすために、会社として取り組んでいることはありますか

質問するときは、「下請けですか」のような聞き方ではなく、事実を教えてもらう聞き方にすると、相手も答えやすくなります。

まとめ

  • 元請けかどうかは「誰と契約して、誰にシステムを届けているか」で見分ける
  • 有価証券報告書の主要な販売先、事業の内容、導入事例、採用ページの仕事紹介を順番に見る
  • 元請けでも新人は開発・テストから始まることが多く、単純に上流・下流で分けられない
  • 請負と準委任の違いを知っておくと、仕事の形のイメージがつかみやすい
  • 公式資料で分からない割合は、説明会で事実をたずねる形で質問する

SIer企業研究ノート 編集部

SIer・IT業界の業界研究、企業研究の進め方、職種理解、選考対策について、つまずきやすいポイントと解決手順をまとめています。内容に誤りを見つけた場合はお知らせください。

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