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有価証券報告書の平均年間給与の見方|就活生が誤解しやすい5つの点

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業界研究 有価証券報告書の平均年間給与の見方|就活生が誤解しやすい5つの点

有価証券報告書の「平均年間給与」は、その会社(提出会社)に勤める社員全員の、1年間の給与の平均です。会社が公式に開示する数字なので信頼できる一方、管理職や年齢の高い社員も含んだ平均で、新卒の給料や「その会社で自分がもらえる額」とは違います。読むときは、平均年齢・年度・単体か連結か・持株会社かどうかを必ずセットで確認しましょう。

この記事では、平均年間給与がどこに載っているか、どう読むか、比べるときの注意点を解説します。会社の順位づけや高い・低いの評価をするための記事ではありません。

目次
  1. 平均年間給与はどこに載っているか
  2. 有価証券報告書の探し方
  3. 就活生が誤解しやすい5つの点
  4. 1. 新卒の給料ではない
  5. 2. 平均年齢で大きく変わる
  6. 3. 提出会社「単体」の数字
  7. 4. 持株会社の場合は、ごく一部の社員の平均
  8. 5. 年度・決算月がそろっていない
  9. 平均年間給与を就活でどう使うか
  10. 自分で読むときの手順
  11. まとめ

平均年間給与はどこに載っているか

有価証券報告書は、上場企業などが事業年度ごとに提出する公式の資料です。平均年間給与は、ふつう次の場所に載っています。

  • 「第一部 企業情報」→「第1 企業の概況」→「従業員の状況」

「従業員の状況」には、主に次の項目が並んでいます。

項目何を表すか
従業員数提出会社やグループの社員の人数
平均年齢提出会社の社員の平均年齢
平均勤続年数提出会社の社員が勤めている年数の平均
平均年間給与提出会社の社員の、1年間の給与の平均

表の下には、注記(=数字の条件を説明した小さな文字)が書かれていることが多いです。「賞与及び基準外賃金を含んでいる」のような説明があり、何を含めた数字なのかが分かります。

有価証券報告書の探し方

有価証券報告書は、次の2つの方法で無料で見られます。

  1. 会社のIRサイト(投資家向け情報):「IRライブラリ」「有価証券報告書」などのページからPDFで見られることが多い
  2. EDINET(エディネット):金融庁の、有価証券報告書などを閲覧できる電子開示システム。会社名で検索できる

就活で見るときは、いちばん新しい年度のものを選びましょう。表紙や冒頭に「第〇期(自 〇年〇月〇日 至 〇年〇月〇日)」と事業年度が書かれています。

数字をメモするときは「出典と時点」もセットで

平均年間給与をメモするときは、「〇〇社 第〇期 有価証券報告書(〇年〇月〇日現在)」のように出典と時点も一緒に書いておくと、あとで比べるときに年度のずれに気づけます。出典と時点の欄があるSIer企業研究シートも使えます。

就活生が誤解しやすい5つの点

1. 新卒の給料ではない

平均年間給与には、管理職や勤続年数の長い社員も含まれます。新卒1年目にもらえる額の目安としては使えません。新卒の給料を知りたいなら、採用ページの初任給を見ましょう。

2. 平均年齢で大きく変わる

年齢が上がるにつれて給与が上がる会社が多いため、平均年齢が高い会社ほど平均年間給与も高く出やすくなります。当サイトの年収比較ページに載せた7社でも、平均年齢は36.0歳(TDCソフト、第72期 有価証券報告書・2025年3月31日現在)から46.4歳(BIPROGY、第81期 有価証券報告書・2025年3月31日現在)まで、約10歳の幅がありました。

3. 提出会社「単体」の数字

平均年間給与は、ふつう有価証券報告書を提出した会社の社員だけの平均です。グループ会社の社員は含まれません。たとえば富士通の第125期 有価証券報告書(2025年3月31日現在)では、従業員数が提出会社32,224人、連結99,203人で、平均年間給与は提出会社の社員についての数字です。グループ会社に入社する場合、親会社の平均年間給与はそのまま当てはまりません。

4. 持株会社の場合は、ごく一部の社員の平均

社名に「ホールディングス」が付くなど、グループ全体を管理する持株会社の場合、平均年間給与は持株会社に所属する社員だけの数字です。持株会社の社員は人数が少なく、構成も事業会社と違うことがあるため、グループの事業会社で働く社員の給与とは別物と考えましょう。

5. 年度・決算月がそろっていない

決算月は会社によって違います(3月決算の会社が多いですが、12月決算の会社などもあります)。また、上場をやめた会社は有価証券報告書の提出がなくなるため、古い年度の数字しか見られないことがあります。比べるときは同じ年度の数字どうしで比べるのが基本です。

数字だけで「良い会社・悪い会社」を決めない

平均年間給与は、社員の年齢構成や職種の割合、算出方法などで大きく変わります。数字の高い・低いだけで会社の良し悪しや自分の将来の年収を判断しないようにしましょう。

平均年間給与を就活でどう使うか

平均年間給与は、次のような使い方なら役に立ちます。

  1. 同じ会社の数年分を並べる:年度ごとの変化を見ると、会社の傾向がつかめる
  2. 平均年齢・勤続年数とセットで見る:どんな年齢構成の会社なのかを知る手がかりになる
  3. 初任給・研修・評価制度の情報と組み合わせる:入社後の働き方を考える材料にする
  4. 説明会や面談で質問するきっかけにする:「年次が上がるとどのように給与が決まっていくのか」など、制度について聞く

説明会で聞くときのコツ

平均年間給与の数字そのものについて聞くより、「評価や昇給の仕組み」「若手のうちのキャリアの進み方」など、制度について聞くほうが、自分に関係のある答えが返ってきやすくなります。

自分で読むときの手順

最後に、有価証券報告書で平均年間給与を確認する手順をまとめます。

  1. 会社のIRサイトかEDINETで、最新の有価証券報告書を開く
  2. 表紙で事業年度(第〇期、いつからいつまで)を確認する
  3. 目次から「従業員の状況」を探す(PDFならページ内検索で「平均年間給与」と入れると早い)
  4. 平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数をメモする
  5. 表の下の注記を読み、何を含めた数字か確認する
  6. 会社が持株会社かどうか、自分が入る予定の会社と同じかを確認する
  7. 出典名と時点をメモに書き添える

SIer各社の数字を出典つきで並べた表は、SIerの年収を有価証券報告書で比較にまとめています。この記事の注意点とあわせて読んでください。

まとめ

  • 平均年間給与は、有価証券報告書の「従業員の状況」に載っている
  • 提出会社の社員全員の平均で、新卒の給料ではない
  • 平均年齢・単体か連結か・持株会社かどうか・年度を必ずセットで確認する
  • 新卒の給料を知りたいなら、採用ページの初任給を見る
  • 数字だけで会社の良し悪しを判断せず、出典と時点をメモして比べる

SIer企業研究ノート 編集部

SIer・IT業界の業界研究、企業研究の進め方、職種理解、選考対策について、つまずきやすいポイントと解決手順をまとめています。内容に誤りを見つけた場合はお知らせください。

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